クンダリーニエネルギーを直接刺激する「サットクリヤ」

臍下丹田のクンダリーニが十分活性化され,尾てい骨に熱が生じるようになれば,いよいよそれを上昇させる時です.

臍下丹田から尾てい骨に眠るクンダリーニをどれだけ活性化しても,それを脊椎を伝って脳まで運ばなければ,潜在能力の開花にはつながりません

代々,日本文化では,「肚(はら)」を重視し,それを胸,そして脳まで運ぶ技法がインドから中国に渡ったように積極的に導入されてきませんでした.

 

この上昇テクニックをクンダリーニヨガでは,サットクリヤと呼びます.

クリヤ(Kriya)とは,エクササイズ,マントラ,瞑想などを複合的に行う技法のことで,様々な技法が目的別に用意されています.

そして,数あるクリヤ技法の中でも最も重要なのが,この「サットクリヤ」なのです.

バジャン先生は,「サットクリヤ」の効用を全て語るには,分厚い辞書一冊分にも及ぶとおっしゃっていました.

 

【やり方】

正座になり,指先を交互に組み(男性は右親指が上,女性は左親指が上),人差し指を伸ばします.

 

上記の指の組み方は,ヴィーナスロックと呼び,指を組む技法は必ずこのルールを守ります.

※あぐらで行う場合もありますが,少しやりにくいので,あまりお勧めしません.

 

両腕をまっすぐ上にに伸ばします.

 

「サット(Sat)」の発声と共におへそを引き,「ナム(Nam)」で緩めます.

「サット」の発声と共に尾てい骨から脳天にまでエネルギーが上昇するイメージをします.

「ナム」で脳天からさらに頭上(オーラ)へとエネルギーを放出させるイメージをします.

 

はじめは,イメージを伴いますが,慣れてくれば,内部のエネルギーを感じ取れるようになり,イメージは意識しなくても問題なくなります.

「サット」で力強く緊張,「ナム」で弛緩というイメージです.

10秒間で8回のリズムでリズミカルに行うことで,「サットナム」の振動を内臓が受け取ることになるでしょう.

 

【目標】

最低3分,一連のセットメニューの中で行う場合は,5分までにしておいた方が無難です.

単体で行う場合は,より長くても問題ありません.

 

このクリヤは,まったり行っては意味がなく,あたかも中国拳法の発勁の如く,「サット」で指先が天井に突き刺さるかのような力強い感じで行います.

マントラ付きの「火の呼吸」のようなイメージです

 

クンダリーニがきちんと上昇しているかは,導師が頭上に手をかざしてその気のビリビリ度合を確認します.

本来,導師とは,単に実技指導だけでなく,こうしたエネルギーの流れを見極める存在の人たちを指します.

 

ここが,クンダリーニヨガのオンラインレッスンの限界といえます.

タントリックヨガも,「マハンタントリック」と呼ばれるタントリックヨガのマスターのオーラの保護下のもとでしか本来行ってはいけないことになっていました.