クンダリーニヨガの最重要エクササイズ「ストレッチポーズ」とは?
前回の記事で「ストレッチポーズ」とたくさん明記しましたが,クンダリーニヨガに詳しくない方にとっては,良く分からないポーズだったと思います.
そこで,今回はその「ストレッチポーズ」について説明したいと思います.
「ストレッチポーズ(Stretch Pose)」の正式名称は,「HASTPADASANA」といいます.
クンダリーニヨガは,バジャン先生がアメリカではじめて公開しましたので,ほとんど英語表記に直されています.
ちなみに「火の呼吸(Breath of Fire)」は,「Agni Pran」と呼びます.
そして,何千とあるクンダリーニヨガのエクササイズ(ポーズ)の中で,最も重要なのが,この「ストレッチポーズ」なのです.
それは,人体に存在する潜在エネルギーであるクンダリーニを直接刺激してくれるからです.
【やり方】
両足を床から15cm程上げ,両腕は前方にまっすぐ伸ばします(腕は身体に触れないようにします).
視線は,両足の親指の間あたりに向けます.
両足のつま先と視線が同じ高さになるようにします.
ここで重要なのが,頭の位置なのですが,顔全体を後ろに引き,上半身の一部としてうまく埋もれるような形になるのがベストです.
これは,「ネックロック(ジャランダーラバンダ)」と呼ばれるテクニックなのですが,指導者にチェックしてもらう必要があります.
この姿勢で1秒間に2,3回のリズムの呼吸「火の呼吸」を行い,臍下丹田を刺激します.
【目標】
女性1分,男性2分,アスリート3分
【注意点】
ポーズ中は,臍下丹田に意識を向け,その活性度合いを感じながら,瞑想的に行うことが大切です.
肩や腕周りに力が入り,上半身がきちんとリラックスできていないと,この姿勢できちんと「火の呼吸」を行うことができません.
はじめて行う方は,まずこの上半身のリラックスに苦労します.
そして,上達と共に変化するのが,この力みの緩和であり,呼吸の爆音化です.
この「ストレッチポーズ」は,あぐらの姿勢で行う「火の呼吸」の強化版という位置づけです.
座位「火の呼吸」は,火の呼吸を習得するための練習という位置づけだと思って下さい.
もちろん,座位「火の呼吸」も行いますが,ストレッチポーズよりも刺激量が減る分,速さで刺激を補う必要が出てきます.
「ストレッチポーズ」は,呼吸の深さ優先,座位「火の呼吸」は,深さだけでなく,速さも問われるという事になります.
YouTubeで散見される,「火の呼吸」の多くは,呼吸が浅すぎる傾向にあります.
それは,身体がきちんとできていないことと,速くやろうとする方に意識がいってしまい,浅くなってしまっているといえます.
呼吸が浅くなってしまえば,きちんと臍下丹田を刺激できなくなりますので,まずは「速さ」よりも「深さ」が重要になってきます.
座位姿勢で深い呼吸ができなければ,既に腹筋が緊張状態にある「ストレッチポーズ」で深く呼吸を刻むことはさらに困難になります.
ですので,「ストレッチポーズ」を行う前に,まずは,3分間,座位「火の呼吸」で深く,次に速く,そして爆音になれば,「ストレッチポーズ」に移りましょう.